多汗症で生命の危機を脅かされることはまずありませんが、重大な病気のシグナルとして危険を発していることが時々あります。この場合の症状は、「全身の多汗症」として現れてきます。今まで説明してきたような、わきの下だけとか手足にじっとり汗をかくというものではなく、顔から背中、胸、手足、というように文字通り全身に大量の汗をかきます。どのような病気が原因で起こるのかと言うと、神経伝達系に障害が起こっている場合や代謝異常、ホルモンバランスの乱れを引き起こす病気などが挙げられます。全ての病気を紹介したいところですが、ここでは多汗症と間違われやすい病気をふたつ紹介したいと思いますが、最終的には医師の診断を仰ぐようにしましょう。
更年期障害とは、閉経に伴い卵巣機能が退行することで起こります。個人差があり、症状の現れ方にも差がありますが、女性であればほぼ半数の人が経験する障害です。
更年期障害は、女性ホルモンの減少によるものや自律神経のバランスが崩れることによって全身に様々な症状が現れます。そのもっとも多い訴えは、ほてりやのぼせ、そして全身の発汗です。こういった症状はある日突然起こり、数日間続いたかと思えば、一、二ヶ月の間隔をあけて再び現れます。全身の多汗症が見られた際、閉経を迎えているならばこの更年期障害による全身発汗である可能性が一番大きいと考えられます。発汗以外にも、頭痛、肩こりで悩まされることが多くなったり、些細なことでイライラしたり憂鬱な気分になることがあります。全身発汗をはじめとするこれらの症状は、数年たてば自然に消失していきますが、日常生活に支障が出てしまうほど症状が強い場合には、医師と相談しながら内服治療などを受けることもできます。
免疫異常により、甲状腺ホルモンが増加して全身性多汗症を引き起こす、甲状腺機能亢進症と呼ばれる病気があります。そのなかでも比較的多く見られるバセドウ病について説明したいと思います。
この病気は20〜30代の女性に多く発病します。詳しい原因はまだわかっていませんが、遺伝的な関係があると言われていますので、家族の既往歴なども一度振り返ってみるのもいいでしょう。
簡単に言うならば、全身の新陳代謝が活発になりすぎてしまう病気であるため、常に心臓がドキドキし、何もしていないのに一分間の脈拍数が100回を越えることもあります。また、食欲旺盛になり、いくら食べても満腹感が味わえなかったり、それなのに体重が増えるどころか減少し、やせていきます。全身に発汗が見られ、ぐったりしてしまいます。それ以外にも眼球が飛び出したような顔つきが見られることが特徴でもあります。このバセドウ病にはいくつかの治療法がありますので、しっかりと医師の診察を受ける必要があります。
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